コンディショニングの始まりは「自分の状態を把握する」こと


前回はコンディショニングとは何なのかについてお話ししました。

現代の社会生活にウェルビーイングが求められていること。

そして、そのためにコンディショニングが必要不可欠という話でした。

ちなみに、前回の記事はこちら

今日はその続き、コンディショニングって具体的に何をすればいいの?という話です。

まず今の状態を知ることから

私は「からだラボ」というコンディショニング施設をやっています。

お客様の体の調子を整えるサービスで、運動器(関節や筋肉など)の不調を多く取り扱います。

その中で、お客様が初めて来院されるのは、体に「急なトラブル」が起きた時がほとんどです。

たとえば…

腰痛が発症した!

寝違えて首が動かない(泣)など

そういったお客様の多くに言える事があります。

それは、トラブルが起きるまで、自分のコンディションの起伏に気が付かなかったという事です。

じつは専門家からみると、これらのトラブルは起こるべくして起こっています。

たとえば、体の柔軟性が低下しているとか…

または、体幹の機能が上手く働いていないなど。

とくに先述の「腰痛」「首~肩の症状」は特に、コンディション不良に基づいた故障である事が多いです。

これらは日本人における有症率が高いのですが、不幸にも突然生じたトラブルとは、必ずしも言えない症状です。

柔軟性や体幹機能など、体の機能低下に早めに気づいて取り組めば、予防できるケースも多いはず。

あなたの今現在~将来にわたる体のトラブル。

そのリスクを減らすには、まず自分の体の状態を知ることが第一段階です。

遊園地で乗りたいアトラクションまでの道順を考える時。

案内板の図の中で、まず現在地の赤い▲探すと思います。

それと同じことです。

体の状態は、正常・異常の二択じゃない?

常に変化する体の状態に気付き、整えることがコンディショニングです
常に変化する体の状態に気付き、整えることがコンディショニングです

上の図を見てください。

体の状態について、あなたは赤い線のような捉え方をしていませんか?

コンディショニングにおいては、体の状態をみどり色の線のように捉える事が大切です。

先述の腰痛や寝違えなどのトラブルは、コンディションが一定水準以下に達した時に生じます。

赤い線の感覚の方は、いつも水準ギリギリで生活していて、トラブルと隣り合わせの状態です。

また、赤い線の感覚の方はコンディションが良くても悪くても、同じ過ごし方をする事が多いように感じます。

コンディションが悪い時は、悪い時なりの体との向き合い方があります。

ところが、そんな時に「体を良くするために運動しなきゃ」と頑張ってしまったりします。

「体のために運動を始めたらむしろ痛くなってしまった」人は、自分のコンディションを把握していない事が多いです。

なので、不調の底にある状態から、からだを整えようとする時、まず手始めにやるべき事はこれです。

  1. 体の状態は「正常・異常」の二択ではなく、つねに変化していると認識しなおす
  2. 今日の自分の体を観察し、日々どう変化しているか把握すること

ありのままを受け止める事が大切

とはいえ「自分の体の状態だけど、判断基準がなくて把握しようがないよ」という人は多いものです。

現に多くの場合、人は自分の体調に対する認識を歪めてしまいがちです。

「今までだって大丈夫だった。まだ大丈夫なはず」

「自己管理が出来ていないのは恥ずかしいことだ」

こういった思考・判断の偏りが起こる現象を「認知バイアス」と言います。

自分の体を評価する時に認知バイアスがかかる事はありがち。

判断をくだす「脳」は勤勉ですが、「体」は無理がきかないものなのです。

では、自分のコンディションを知るにはどうしたら良いか?

コンディションを測るには、それ専用の物差しがないといけません。

定期的に物差しで測る。

そうすれば、その期間、体がどんな変遷をたどっているかが見れます。

そして、体調(コンディション)は、点数の絶対値が高いことが重要なのではありません。

むしろ体の調子がどういう傾向にあるのか、変化量を観察する事が大切なのです。

まずは「ものさし」を当ててみて、自分の体の状態をありのまま把握する事がコンディショニングのスタートです。

という事で、コンディションを知るための物差し「スクリーニング」について紹介したいのですが…

今回はお話しの分量も多くなったので、それは次回にまわすことにしましょう。

まとめ

コンディショニングの第一歩は、「自分の体の状態を把握すること」です。

体調の変化を日々観察し、それに基づいた最適化を行う事で健康を維持し、より良い生活を送ることが可能になります。

 

「自分の状態を知る」ことは、単なる体調管理にとどまらず、日常生活の質を向上させるための基本的なステップ。

自分の体に耳を傾け、無理なく整えていくことで、心身ともに健康な生活を実現しましょう。

この記事を書いたのは…

田中陽祐(たなかようすけ)

 

柔道整復師・スポーツトレーナー。にいさと接骨院×からだラボ 院長。

包帯やテーピングを巻くのが大好き。趣味はランニング、山登り。



このブログの内容を他の人にシェアしたい時はこちらからどうぞ。