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本日は「足が速くなるスポーツ理論②-b」を解説していきます。
前回「足が速くなるスポーツ理論②-a【走りに繋がる基礎トレ】」からの続きです。
前回の記事はこちら↓
指導者・保護者・選手の皆様に分かりやすく「なるほど」と思って頂ける解説をしていきます。
足が速くなる接地「アクティブ・フラットフット」
前回は「下半身を使って地面を押すトレーニングが大事」という話でしたね。
今回は「地面に対する足の着きかた」について考えてみましょう。
速く走るためには、地面と足がどんな風に接すると良いでしょう?
ちょっと考えてみてください。
競技による走り方の違いや、加速フェーズなのかトップスピードなのかでも、設置に関する意見は違います。
ただ、「アクティブ・フラットフット」の練習をする事は、トレーナーとしてオススメします。
その理由のふたつ。
ひとつは、メカニクスに基づいた動作を身につけるため。
もう一つは、ケガや故障を予防する観点からです。
アクティブ・フラットフット、どんな足の使い方なのか?
まず下の動画をご覧ください。
ベタ足でスクワットしているように見えますね?
でも、エクササイズ中ずっと、カカトがほんの少し地面から浮いてるんです。
厚みにして大体、クレジットカード一枚分くらい。
なので、この接地の基本原則を「クレジットカード・ルール」とも呼びます。
何故この足の着き方が「接地」メカニクスの基本なのか?
それは「より広い面で接地した方が、地面反力を得やすいから」です。

地面反力については前の回で解説しましたね?
作用・反作用の法則です。
「地面に力を加えることで、自分が動かされる」でした。
そして、地面を押す練習として「スクワット」を紹介しました。
この「スクワット」を「アクティブ・フラットフット」でやったのが上の動画です。
どうですか?できますか?
これが出来るようになると、スポーツ動作が根本から変わります。
もしよろしければ、動画を見ながら練習してみてください。
脚の切り替えエクササイズ
スクワットは、地面反力を得る感覚を身につけために効果的なトレーニングです。
地面反力を意識する導入エクササイズとして、ぜひ取り組んで欲しいです。
ただ「走る」時は、両足をそろえて地面を押すわけではありません。
「片脚」で地面反力を得なければいけないのです。
つまり両脚で地面反力を得る感覚を身につけた後、今度は片足で地面反力を得る練習をします。
次のような「脚の切り替えエクササイズ」です。
動画のような台を使ったエクササイズは、いくつかの点で利点があります。
ひとつは、支持脚(体を支えている方の脚)で、地面をしっかり真下に「踏む」練習ができる。
この真下を踏む感覚は、トップスピードでのランニング時にとても大切です。
あとは、体幹の安定性が身につくこと。
猫背でやったら効果半減ですよ。
そして、背スジを伸ばして体を上に引き上げることで、地面反力を抗重力に変える練習になる事。
つまり、走る時に腰が下がりにくくなります。
さらにもう一つ、大切なことがあります。
それは、脚の切り替え感覚が身につくことです。
速く走るためには「脚をスパッと切り替える」ことが大切です。
ジュニア年代の選手にとって、すばやい脚の切り替えは案外むずかしいことです。
「脚を素早く切り替えて」という言葉がけをすると、一生懸命 ひざを上げようとします。
これは良くない「もも上げ」です。
「ももを上げる」意識の選手は、多くが骨盤を後ろに倒してしまい、重心が後方にシフトします。
これは、速く走るうえではマイナスな要因になります。
もちろん「もも上げ」練習も、やり方によっては効果的ではあります。
バットキックスのように後方に行った脚を引きつけるトレーニングはとても大事です。
※バットキックスの話は次回します
なので、動画のエクササイズで身につけたい感覚は、こうです。
「左の足をグッと下に踏むと、右の脚が『同時に』『自然と』上がる」
脚の切り替えは「ももをあげる」ではなく「踏みこむと反対脚が自然にあがる」なのです。
その感覚を感じながらやってみてください。
台を使って切り替えの感覚がつかめましたか?
そうしたら今度は、地面での切り替えエクササイズをやっててみましょう。
走り方のレクチャー界隈(?)では「アルミの空き缶を踏み潰す感じ」といわれます。
この「ヘソの下の空き缶を踏む」感覚が身につくと、実際のランニング動作がけっこう変わると思います。
ランニングでの脚の使い方につなげる
実際のランニング動作でも「ももあげ」状態で走っている人がいますが、これはあまり良くないです。
支持脚を地面に「タッ!」と振り下ろす事で、反対の脚は自然と上がるものです。
その感覚をエクササイズを通じて身につける。
そうすると、実際のランニング動作でも地面反力を得やすくなります。
また、これらは、陸上のスキップ系のドリルの基礎にもなります。
AスキップやBスキップ、ホッピング系などのドリルです。
これらのドリルは、速く走るトレーニングとして非常に有効です。
しかし、ジュニア世代の選手では正しい感覚をつかめていない事が多いです。
せっかくやっているのに「なんとなく」ではもったいない。
今回紹介した基礎トレーニングは、走りのメカニズムを習得・向上するうえで有効です。
基礎トレーニングを実際の走りにつなげるトレーニングの紹介は、次回以降の記事で!
1週間後くらいには第3回の記事を投稿できると思いますので、もしよろしければご覧ください↓
- アクティブ・フラットフットを身につけよう
- 脚の切り替えエクササイズは次につながるので大事。