子供のアスリートによくある「足の甲の痛み」
スポーツをやっている子が足の甲を痛がることって結構ありますよね。
なかには、悪化させてしまうと長期に競技復帰できないものもあるので、きちんと状態を理解する事が必要です。
今日は、スポーツをやっている子供が足の甲の痛みを訴えた時、どんなケガや障害の可能性があるのか解説します。
なお、この記事は、自己診断を推奨するものではありません。
トラブルに早めに気付いて、早期受診してもらえれば幸いです。
また、すべてのケガや疾患を網羅しているわけではないので、ご了承くださいませ。
足の甲が痛むケガ・スポーツ障害
足の甲が痛む主なスポーツ障害には、以下のようなものがあります。
- 捻挫(靭帯損傷)・・・リスフラン関節の捻挫や二分靭帯の損傷。
- 疲労骨折・・・起こりやすいのは第2・第3中足骨(足の甲の前方部中央)。
- ジョーンズ骨折・・・第5中足骨の疲労骨折。第1~4中足骨の疲労骨折より特に治りにくい。
- ケーラー病・・・3~7歳の男の子に多い。低年齢で、本人が症状を的確に伝えられない事もある。
- フライバーグ病・・・足の人差し指の付け根。10歳代の女子に起こりやすい。
①足の甲部分の靭帯の損傷は、足首を捻ったり、足に重い物が乗った際に起こります。
②の疲労骨折は、足の接地時など繰り返される外力で発生します。
針金をグニグニ曲げ続けると折れる「金属疲労」に近い現象です。
練習量が選手に見合っていない場合や、体の使い方に問題がある場合に起こります。
③ジョーンズ骨折も疲労骨折の一種で、ランナーやサッカー選手に多く、他のスポーツでも発生します。
④ケーラー病と⑤フライバーグ病は「骨端症」といわれるものです。
注意が必要なケガもある
上記のケガ・障害の中にも、治療に長期間を要するものがあります。
たとえば、⑤フライバーグ病は、悪化すると年単位の経過観察が必要です。
悪化すれば長期離脱を余儀なくされるので、10歳代の女子が足の甲を痛がった際には、すぐに来院してください。
また、④第5中足骨に起こる「ジョーンズ骨折」も注意が必要。
疲労骨折として発生する事が多いですが、ねんざした時に発生する事もあります。
ジョーンズ骨折は、ギプス固定では骨がくっつかない事が多く、病院で骨の中に金属をいれる手術が行われるます。
また、治り方の良し悪しにバラつきがあるとも言われています。
足の甲の痛み、練習はできるの?
スポーツをやっていると、練習を休みたくないお子さんや保護者の方が多いと思います。
ただ、ケガや障害のなかには、悪化させてしまうと競技キャリアに支障をきたすものもあります。
自己判断せず、きちんと病院や接骨院を利用してくださいね。
「痛みが出たら常に練習をストップする」では、スポーツ競技にならないという事も分かります。
気を付けて頂きたいのは、ケガや障害に際して「何だか分からないけど、大丈夫だろう」と決めつけない事です。
治療と復帰は計画的に
学生スポーツの難しさは、年齢カテゴリーごとの「期間の短さ」だと思います。
たとえば高校生では、入学から3年生の高校総体までは実質2年しかありません。
そのなかで、半年~1年という長期治療を要するケガやスポーツ障害になってしまうと、キャリアが台無しになってしまいます。
どういうケガなのか、いつまでに、どのように治し、その間のスポーツ活動はどうするのか?
きちんと計画だてて関わってくれる治療施設を選ぶことが大事だと思います。
まとめ
いかがでしょうか?
足の甲の痛みは、スポーツをやっているとよくある症状です。
多くは適切に判断して治療すればよくなりますが、早めの対処を要するものもあります。
「おかしいな」と思ったら早めに治療を受けて、長期の休養をしなくて済むようにしましょう。
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この記事を書いたのは…
田中陽祐(たなかようすけ)
柔道整復師・スポーツトレーナー。にいさと接骨院×からだラボ 院長。
包帯やテーピングを巻くのが大好き。趣味はランニング、山登り。
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