骨折の勉強をすると「下駄骨折(げたこっせつ)」というのが出てきます。
しかも珍しくないケガとして。
もしかして、この記事をご覧のあなたも下駄骨折でお困りでしょうか?
日常的に「下駄(げた)」を履いている人はあまり見ませんよね?
それでも「下駄骨折」というのは割とよく起こるのです。
ということで今日は、下駄を履かなくても起こる「下駄骨折」について分かりやすく解説します。
下駄骨折ってなに?どこが折れるの?
下駄骨折は、一般的には、足をひねって第5中足骨が折れることをいいます。
足を捻った時に、腱が骨に付着する部分に「引っ張る力」が加わります。
引っ張られて折れるのが「第5中足骨」という骨の端っこ。
引っ張る筋肉が「腓骨筋」という筋肉の腱。
引っ張る力を「牽引力」といいます。
下駄骨折は「腓骨筋腱のけん引力によって起こる第5中足骨の裂離骨折」ということです。
むずかしいですね。
ちなみに、似た骨折に「ジョーンズ骨折」というのがあり、これは非常に厄介な骨折です。
忘れなければこれに関しても記事を書いてリンクを貼っておきますね。
下駄骨折の原因は?
- スポーツでの捻挫:足首を内側にひねる捻挫のときに起きることがあります。
- つまずく・転ぶ:下駄やサンダル履きの時にバランスを崩して転ぶと起こりやすいです。
- 物を落とした・ぶつけた:まれに足に物を落としたり、ぶつけた時にもこの部分を骨折します。
このケガは足首のねんざとの関りが深いです。
とくに、足を内返しする「内反捻挫」に併発することが多いです。
↓こちらの記事も参考にしてみてくださいね。
夏になるとサンダルでのアウトドアやレジャーを楽しむ事が増えますね。
サンダルで海や川の岩場を散策する時などは要注意です。
滑りにくい・きちんとフィットする等、ある程度きちんと履物を履くことで予防になると思います。
履き物で言えば、捻挫しやすいスポーツ選手は、足を捻りにくい靴を選ぶことも大切でしょう。
シューズが劣化したら早めに変えましょう。
バスケットボールではハイカットのシューズを使う事のも良いと思います。
どんな症状がでるの?
下駄骨折(第5中足骨骨折)では、こんな症状が現れます。
- 痛み:骨折した部分がズキズキ痛みます(疼痛)。また、骨折部にピンポイントで圧痛(押すと痛いこと)がみられます。
- 歩きにくい:傷めた足に体重をかけにくくなり、普通の歩き方が出来ない事があります。
- 腫れ:時間の経過とともに、骨折した部分だけでなく足全体~指まで腫れることがあります。
- あざ:1~2日すると内出血が生じて紫のあざができることがあります。
足首まわりでは、皆さんが知らないような多種多様なケガがおこります。
症状から自己診断する事は避け、出来るだけ早く病院や接骨院に来院するようにしてください。
下駄骨折(第5中足骨骨折)の治療方法は?
治療方法は次のようなものがあります:
- 整復:折れた骨がズレていれば、正しい位置に合わせます。これを整復と言います。
- 固定:ギプスや合成樹脂の固定材料を使って、折れた骨が動かないように固定します。
- 免荷:松葉づえを使って、傷めたほうの足に体重をかけないようにすることもあります。
- 手術:場合によっては、骨を元の位置に戻すために手術が必要になることもあります。
早期に適切な処置をすることが大切です。
おかしいなと思ったら、すぐに近くの医療機関を受診しましょう。
スポーツ復帰までにかかる期間は?
中足骨の骨がくっつくのにかかる日数は、3~6週間といわれます。
ただし、その間は、足首までを含めた部分の固定が必要ですので、足の動きが悪くなると考えておきましょう。
また、しばらく松葉づえでの生活ですので、体の使い方が変わってしまします。
まずは、骨折した足の部分の治療・運動療法と、全身の基本的な運動から行っていくのが良いでしょう。
ケガをしていても、上半身のストレッチや運動が出来る場合もあります。
ケガにめげることなく、負傷前より良いパフォーマンスを出来るように頑張りたいですね!
まとめ
いかがでしたか?
下駄骨折は、日常でもスポーツでも起こる事のあるケガです。
適切に治療を受ければ、治療成績(治りの良さやその後の状況)は良好と言われています。
きちんと治療を受けて、競技生活を目指しましょう。
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この記事を書いたのは…
田中陽祐(たなかようすけ)
柔道整復師・スポーツトレーナー。にいさと接骨院×からだラボ 院長。
包帯やテーピングを巻くのが大好き。趣味はランニング、山登り。
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