これを書いている2024年現在、「団塊の世代」の人たちが次々と「後期高齢者(75歳以上)」に差し掛かっています。
接骨院をやっていると分かるのですが、ケガをしやすいのは子供とお年寄りです。
これからの10年で、高齢のご家族がケガに見舞われる場面はとても増えるでしょう。
そこで今日は、高齢者の方のケガの実態と、治療や予防などの対処方法について分かりやすく解説します。
高齢のご家族がいる方はぜひ読んでみてください。
高齢の方のケガの内容は?どんなケガが多い?
高齢の方のケガで多いのは次のようなものです。
- 大腿骨の骨折:転倒して脚の外側をうつ。
- 手首の骨折:ころんで手を衝いたときに折れる。
- 背骨の圧迫骨折:転倒や起き上がり、持ち上げ動作の際に骨がつぶれる。
- 打撲や肉ばなれ(腱が切れる):転倒してのうち身。急な動作で筋肉の腱が切れる。
特徴として、転んだ時にケガをすることが多いです。
また、ちょっとした力でも大きなケガになる事があります。
ケガの発生場所は?自宅?出先?
ケガの発生場所では、家の外よりも中の方が多いというデータが大勢です。
屋内のケガが多い要因には、次のようなものがあります。
- 自宅など屋内で過ごす時間が長いため
- 家庭内にはつまずくような物や環境が多い
- 慣れた環境なので不注意が生じやすい。
一方で、屋外のケガも起こっていないわけではありません。
屋外では、路面の悪さ(デコボコ・凍結)や自転車でのケガが多いようです。
高齢の方ができるだけケガをしないために
高齢の方がケガをしないための取り組みは様々なものがあります。
医療や介護分野では、体力向上・介護予防のためのサービスが受けられます。
また、自治体や地域活動としての健康運動なども沢山あります。
その中で、この記事を見た直後から取り組めることを一つお勧めします。
それは生活環境の見直しです。
すぐにできる!生活環境の見直し
高齢の方が自宅で転倒する原因は次のようなものです。
- 玄関マット・キッチンマットに足を取られる
- 家電のコードに足が引っかかる(特に冬場のこたつや暖房器具)
- 夜、お手洗いに行く際に電気をつけずに歩く
私たち若年者でもうっかりすると危ない時があると思います。
ちなみに、これらはすぐに見直す取り組みが出来るものですよね。
家電のコードは出来るだけ壁際に固定して、人が通るところには出ていないように。
マット類は本当に必要か考え直してもいいかもしれません。
夜お手洗いに行く時に危なくないよう、夜だけ自然点灯するような間接照明を置くのも良いでしょう。
私自身の話で恐縮ですが、夜中に2階の寝室から1階のキッチンに行く時に転びかけた事があります。
自宅の環境を良くする事は、年齢を問わず大切な事だと思います。
模様替えと思って取り組んでみると、楽しくて気分転換にもなるかもしれませんね。
できるなら適度な運動も
転ばないためには適度な運動も大切です。
年配の方の体力をはかるための指標があります。
たとえば、TUGテストやファンクショナルリーチは高齢者の方に特化した評価法です。
これらの評価テストは身体機能がどれだけ高いかを競うものではありません。
年齢を重ねるなかで、どう変化していくかをチェックすることが大切です。
また、体の機能維持は大切ですが、運動は「体を傷めるリスク」もはらんでいます。
体が硬かったりバランス能力が落ちている状態で運動をすれば、体のどこかに痛みが生じます。
まずは体の基本的な機能を改善してから運動をする方が良いでしょう。
それには、専門的な知識を持ったトレーナーのサポートが必要です。
体力や体の機能が低下したり、持病を抱える60・70代から、急に運動を始めるのは大変です。
本当に運動をした方が良いのは年配の方ではなく、その手前の30~50代ではないかと私は思います。
栄養状態や生活習慣の見直しも
必要な栄養が十分摂取できているかも、体を作るうえで重要です。
たとえば骨折の予防に関しては、骨密度が重要です。
骨の代謝(体の組織を新しく作ったり壊す事)には、ビタミンDが重要な働きをしています。
ビタミンDといえば納豆に豊富に含まれます。
納豆の消費量が多い県ほど、寝たきりになるような重傷骨折が少ないという研究データもあるようです。
これに関しては、私も何かでチラッと見ただけで正確性については不明なのですが…。
いずれにしても、ケガの発生や重症化には栄養面も関わってきます。
もし極端な食習慣がある場合には見直してみるのも良いのではないでしょうか?
まとめ
いかがでしたか?
高齢の方のケガは日常的に発生しやすく、ちょっとした加減でも大きなケガになります。
それを予防するためには、住まいの環境を見直したり、体の状態を維持する事が不可欠です。
10年後の2035年までに、日本は人口の3人に一人が高齢者という状態になります。
高齢者の方には、健康でたのしく地域社会に参加してもらう事が非常に大切です。
また、後に続く私たちの世代も、そうあれるように今から健康について考えたいですよね。
年代を問わず、自分の体の状態にアンテナを張って、体を大事にしましょう。
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桐生市、みどり市、伊勢崎市の赤堀地区や前橋市の粕川地区からの患者様が多い接骨院です。
この記事を書いたのは…
田中陽祐(たなかようすけ)
柔道整復師・スポーツトレーナー。にいさと接骨院×からだラボ 院長。
包帯やテーピングを巻くのが大好き。趣味はランニング、山登り。
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